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偶然に導かれた医者の仕事。でもそれは、やりがいがあり、人に頼りにされる、生涯をかけるに相応しい仕事

私が医者になることを決意したのも、現在の場所に開業したのも、最初は偶然に導かれてのことかもしれません。でもその偶然は、私に生涯をかけるに相応しい、やりがいある仕事へと導いてくれました。

医師を志した理由や心臓血管外科を選んだ理由を教えていただけませんか?

医者になるという決意は、遅く、偶然に導かれたものでした。実は、高校3年生まで、私は弁護士志望の生徒だったのです。ある日、本屋で六法全書を開いたのですが、なんとも面白くないので、隣の医学書を読んでみました。すると意外に理解できてとても面白かったのです。その時、パッと「医者になろう」と思いました。

その後、医者になり、患者さまに「先生、楽になりました。ありがとうございました」と声をかけていただいた時、格別なやりがいを実感しました。また、どうせなら人の生死にかかわる領域を志し、命を助けられる機会さえあるかもしれないと考えて決断したのが、心臓血管外科の道でした。

心臓血管外科から血管外科に標榜科目を変更した理由を教えていただけませんか?

当初は心臓血管外科として開業しましたが、大きな病院とちがって、そこでは、私一人でできる手術をしなくてはなりません。また開業すると、多くの患者さまが下肢静脈瘤でお悩みであることがわかりました。すると、血管を専門する医師として、下肢静脈瘤の手術という方向性が見出されました。

下肢静脈瘤の手術は、私一人で責任もって行うことができ、それによって患者さまとの、治療上での信頼関係を築くことができます。開業医として、地域の患者さまとの信頼関係を築きながら、私にできることを考えた時、心臓にこだわらず、広く血管に視野を広げた医療にこそ、自己の進むべき方向性として意義を感じました。

手術まで対応しようと思い立った経緯を教えていただけませんか?

当院では、診察・検査・診断・治療という過程を、当院にて一貫して行っています。なぜかというと、これが患者さまとの信頼関係を築くための医療の基本姿勢と考えるためです。また患者さまにとっても、診療の過程で、様々な病院にいくよりも負担をかけずにすむからです。

一方、今日では、地域医療連携のもと、治療は基幹病院、診断とアフターフォローは開業医という役割分担も認知されてきました。しかし開業医においても、一貫した診療が行えるのならば、患者さまにそのような医療を提供すべきではないでしょうか。治療では、患者さまと医師との信頼関係が不可欠だからです。

医師としての今後の抱負をお聞かせ下さい

静脈疾患は病気としてあまり重要視されてこなかった事もあり、携わる医師が少ないのが現状です。逆に、動脈疾患は命に直結することもあり、携わる医師も多く、患者側としてもその認知度は高いです。今まで静脈疾患に携わってきた責任感もあり、今後セミナーや講演会などを通じ、若い世代の医師に自分が培ってきた知識や技術といった“財産”を伝え、後進の育成をしていく事が今後の医師としての方向性になっています。